車大国のアメリカで列車かよと思われる方も多いかもしれません。そうです。列車です。
私は、正直にいって車を運転することが好きではないです。1年半住んで、いままでで自分の運転でいった最も遠いところは、1時間圏内のサンノゼであるというところから容易に想像してもらえると思います。
運転はどういうわけか、すごく疲れるわけです(完璧に個人の問題ですが)。幸い、わが家には私以外に運転ができる人がいるので、とてもありがたいですが、いつもおんぶにだっこというわけにもいかないので。
そんなこんなで、遠くに行くときに、アムトラック、今までいろいろな区間で(インターン中の出張なども含めて)6−7回のりました。
勝手な分析に基づく特徴を言うと
1.遅れる→基本的に時間どおりこないことが多いです。10分とかではなく、1時間とか。もっととか。
2.遅れてほしいときには遅れない→ヨセミテに行ったときに一度とアムトラックとバスでいったのですが、その帰りのこと、雪でヨセミテからのバスが20分くらいおくれました。どうせ、まだアムトラックきてないだろうとたかをくくってたら、そういうときに限ってオンタイムで来ており、すでに出発済みでした。
乗る予定だった電車がバークレーに戻る最終列車だったので、いろいろと軽く大変な目にあいました。(最終的には家にその日の夜中には帰れたので良かったですが)
3.運休する→ふとたまに運休するので、最後の最後まで油断ができません。
今回の休みには、サンフラン→シアトル→シカゴ→サンフランと旅行をして、途中でアムトラックを計画にすえていたのですが、今回もアクシデントが。
当初の予定では、シアトルまでは、飛行機でいって、シアトルからEmpire Builderという列車にのってシカゴにいき、シカゴから、California Zephyrという列車にのって、サンフランシスコに帰ってくる予定にしていたのですが、出発の前日になり、アムトラックから電話が。「なんだかいやな予感が」とおもったら、まさしくその通り。出発日のEmpire Builderが運休になったと。で次に出発するのは3日後だと。
まあ、天候とかは私達ではどうにもできないですけど、さすがにぎりぎりだし、しかも3日後だったらシカゴに着いたあとの宿泊とかホテルとかの手配どうするの?と思い、やむなく飛行機でいくはめに(結果シカゴが長くみれてそれはそれでよかったのですが)。
シカゴも雪だったので、帰りのシカゴ→サンフランシスコ便もまた運休かと思いきや、何事もなかったように出発。ほっとしたのもつかの間、いきなりスローダウンで、最初の6時間で4時間遅れって・・・。最後結構挽回しましたが、当初は、1日くらい遅れて着くんじゃないかと思いました。
そんなかわいいところのあるアムトラックですが、実はほんとに、やめられないよさがあるのです。
1.景色が感動的:アムトラックは狙ったかのように景色がいいところを走っています。California Zephyrはとりわけその極みだと思います。すごいです。シカゴを出て、ミシシッピー川、ネブラスカの大草原(大雪原)、ロッキーの山々、ユタでみた無限の星、断崖、シエラネバダの緑、レイクタホ、そしてだんだんエメリービルに近づくにつれて増えてくる建物やきれいな橋などなど。景色は、自分の眼で見て感じるものだなあと、写真には決してできないと思うことが何度となくありました。(たとえば、満天の星は、写真でうまくとれない)。
2.本も読める、酒も飲める:運転する必要がないので、疲れもなく、酒が飲みたいときは酒を飲んでも誰も文句をいいません。本を読んでも、ぼーっと星を見ても誰も文句はいいません。(当然車でないといけないところにはアムトラックではいけないので、それぞれ違った良さがあるということです)
3.のんびり:シカゴからサンフランは列車では50時間!50時間ってさらっといいますが、新幹線で東京→新大阪を約10往復できる時間です。そんななか、ただただ列車にゆられ、現代の文明の利器(とりわけ電話とネット)と離れ、読みたい本を読み、酒を飲み、お菓子や食事を食べ、(お腹がすいたら、売店にいけばいい)話をし、音楽を聴きそして何よりも贅沢な景色を眺めて、気が向いたら写真をとり、眠くなったら寝台車で寝る。室内につかれたら、大自然の中の途中の駅(外に降りて10分くらい休憩できる駅が何時間かに1回ある)で吸う空気もおいしいです。何もしない時間、何よりもの幸せだと思いました。
そんなこんなで、片道ぎりぎりで運休されたにもかかわらず、間違いなく、またアムトラック乗ると思います。アメリカの自然は広大で本当に心を打つものがあります。本当です。そんな中では運休も、遅れもまあ許せてしまうわけです。今度ものんびりと、お金はたいしてかからないけど、心洗われる旅に出たいと思うわけです。
写真:まあ50時間も乗っていれば色々な景色に出会うものです。写真では、圧倒感とかを上手く伝えられないのが残念なところです。私はとても感動しました。