2009年02月28日

101 Things I Learned in Architecture School

早いもので3月が近づいてきました。2009年に入ってのこの2ヶ月も、あっという間に過ぎていったというのが正直な感想です。計30ヶ月の学生生活もあと10ヶ月と思うと、正直びっくりもしてしまいます。

今月は、一時帰国を予定していて、とても楽しみにしています。といっても、3泊のみ&関西のみ、という予定ではあるのですが。関西は、昨年の夏に帰ったときにはたったの3時間しかよらなかったので、関西に戻ることはとても楽しみなのです。

今日は、クラスメートにもらった、一冊の本を紹介したいと思います。
私はとても建築に興味があります。もちろん見ていて気分がいいとかそういったこともありますし、芸術でありながら、「作品を人間が使うことを求められる」「持続性が求められる」「作品自身でコントロールできないもの(周囲環境など)との関係性が求められる」など、とても難しいものだと思いますし、とても「深い」ものだと思うわけです。だから建築家の人はすごいなあと常々思うわけです。

私も、そして本をくれたクラスメートの彼も、建築を仕事にしているわけではないですが、お互い建築に興味があって、たまにそういった話をするのですが、彼が「この本は是非読んだ方がいい」と教えてくれた本です。読んでみて、とても共感し、いい発見があったなあ、この本はきっと長い間繰り返し読むだろうなあと思った一冊です。

私がこの本をお薦めしたいと思った理由は別に「建築」を薦めたいからというわけではありません。この本は、建築に関する101の「格言」「メッセージ」「方法」や「考え方」などを記したテーマがあり、それぞれのテーマについて文章とビジュアルがついているといったものですが、この本の101のテーマは、あきらかに「建築以外の世界」(たとえば、ビジネスの世界であれ、日常生活のあり方であれ)応用可能でとてもとても(少なくとも私には)共感でき、有用転用できるものだと思ったのです。たとえば、"No design system is or should be perfect"とか、"Beauty is due more to harmonious relationships among the elements of a composition than to the elements themselves"などといったテーマ、そしてそれらのテーマについている文章の中身は正直、どんな世界にも当てはまるんじゃないかと。

テーマの中には、そんなの当たり前だよって感じかねないことも多くあるかもしれません。でも、私の自戒もこめてですが、この「当たり前」を常に意識し続けたり、実践するのがなかなか難しいなあと思うわけです。そういったことを常に思い出させてくれたり、新しく気づかせてくれたりする一冊だと思います。

それぞれの101の項目は内容は、幅広く解釈したり、いろいろな世界にあわせようとすればするほど広がりがあってとても「深い」と思いますが、英語自体はシンプルに書かれていますし、ビジュアルもとても多いので、それ読みやすく、読んでいて楽しい本だと思います。そして読みやすいからこそ、心に残りやすいと思います。



そして本のデザイン自身がいいのも、すきなところです。
posted by は at 14:41| サンフランシスコ ☁| Comment(0) | 読んでみました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月05日

第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい (Blink)

今日、ご紹介したい本は、Blinkという本です。日本語では、「第1感「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい」という訳で出版されています。前の会社の同僚が昨年末に紹介してくれて、読んだ本です。(ありがとう!)

この本は、マルコム・グラッドウェルという人が書いたもので、このマルコム・グラッドウェルという人は、ティッピングポイント(Tipping Point)という名著を以前出版しており、最近Outlierという本(新作といっても去年ですが。まだ読んでません。)を出しました。この人の本は面白いです。この人はライターということもあると思いますが、構成の作り方も、事例の入れ方もとても面白く、へーという感じで読むことができる本だと思います。

このBlink(第1感)という本の解釈は、人それぞれだと思いますが、おおきく、「人間には「無意識」という部分があって、そのことを理解して、意思決定をすることが大事」、と私は読みました。

この本を読んで感じることは、「人間らしさ」ということでしょうか。人間は「コンピューター」ではなく、「人間」なので、結局、自分の行動や思考をすべて把握しているわけではないし、自分が考えていることの多くを説明することなんてなおさらできるわけないのかなあ、と(もちろん自分も含めてです!)。前の仕事の際に、色々な人にお会いさせていただいて色々お話を聞かせていただいて、それをもとに商品を作っていくことに関わっていた際もそれはすごく思ったことでした。

本書には、無意識、直感に頼った方がいい(重要な要素を理解していないために説明できない)事例も、無意識、直感にすべてを頼らないほうがいい(バイアスがあるから)事例も載っているので、なんとなく邦題の「なんとなくが正しい」と言い切っているところに若干すっきり来ないところもあるのですが、そうはいっても「なんとなくが正しい」ことがあるということを忘れないことが大切なことだとは強く思います。

当然数字や論理を理解し、使いこなすことができるにこしたことはないと思うのですが(特に説明すると言った際に有る意味で伝わりやすいですし)、あえていうならば、それと同時に、あるいはそれよりも、経験(成功体験や失敗体験)や知識、そしてそれらを広げる感受性や好奇心などを高めていくことで、直観力とか「パッと見て選ぶ力、決める力」を養っていくことは重要なんだろうと思います。そこにはきっと私達が数字に表すことのできないとても大切なものがあるんだろうと思うわけです。



posted by は at 08:32| サンフランシスコ 🌁| Comment(2) | 読んでみました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月09日

ハイ・コンセプト

日本もだいぶ春らしくなってきていると思いますが、こちらもかなりいい天気・いい景色です。いろいろな花が咲き、彩りがあって、気持ちよく生活できています。ありがたいことだと思います。

今日紹介する本も、去年読んだベスト3冊の1冊(前のはホットグループという本です)です。この本もMBAに来る前に、日本で読んで、内容にかなり共感して、持ってきた貴重な一冊です。

この本がすごいのは、もちろん大前研一が推薦しているかどうかとかとは全く関係なく、「人間の強み」というところに向き合っているところだと思います。

この本が書いている通り、正直、論理的な思考とかいわゆる「頭のよさ」というのは、究極的には機械や日本人より低賃金で、仕事を請け負う(いいことかどうかは別として現実の社会はそうだと思います)とても優秀な多くの人々によって、低コストで代替できるものだと思います。結局重要になってくるのが感性(共感力)とか創造力とか、右脳の力といったところ。この本での芸術家への見方や、今度どういった力を伸ばしてけばいいかというところの提案はとても面白いと思います。Aというものをみたときに、何を感じ取るか、ないしはAというものをヒントに、世の中に存在しないCというものを生み出していけるか。というのは重要なスキルだと思います。

世の中は動いているわけで、僕らは10年後、20年後に必要なスキルというのをみていかないといけないなあと・・・。思わずそんなことを考えてしまう、とてもいい一冊だと思います。



posted by は at 03:20| サンフランシスコ ☁| Comment(2) | 読んでみました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月24日

ホットグループ

ホットグループは2007年読んだ本の中で面白い&ためになった本のベスト3冊のうちの一冊です。神戸に住んでいたときにたまたま立ち読みして買ったのですが、あまりにもいい本だと思うのでアメリカまで持ってきてしまいました。

この本は、ある意味チームでの「没頭」の大切さを語っています。アメリカはリーダーシップ、リーダシップという教育がとても多いように見受けられますが、この本は私の期待をいい意味で裏切ってくれてると思います。

この本が語っているところとしては、みなが本当にいい仕事をしよう→特に仕事の先に何か目標が見える環境で、みなが自分がどうとかではなくただをいいものを作ろうとした場合、ルールとかを(倫理的なルールではなく本当に必要なのかとおもわれる会社にある慣習とか)を無視してでもいいパフォーマンスを出そうとするグループについて語っています。結果としてこういうチームが問題児でありながらもブレークスルーを会社やチームで生みだすというのがこの本のポイントの一つです。

私はタイトルにもあるように、人は人、わたしわたしという感じで、まあいい加減に生きているのですが、とてもありがたいことに、自分たちが正しいと思うものを正しくやって、最終的に「いいもの」を作りたいと思っている「熱い」仲間に大学でディベートをしていたときもコンサルティングをしていたときも、消費財に携わっていたときも一緒に色々なことをする機会を多くもててきたような気がします。運が良いです。そういった仲間たちと、いい経験を多くさせてもらったこともあり、この本はとてもよかったです。

個人的には、リーダーシップもホットグループも周りの人と一緒にいい物を作っていく過程だと考えると、MBAでリーダーシップについて学ぶのであれば、この本を読むほうがいいと思うくらいの名著です。

この本をよんでいてもそう思うんですが、やっぱり人の力って重要でだなあと、改めて、確認します。人間力って一朝一夕にはつかないし、感受性がないと育たないと思うし、人として周りの人と熱くいいものを作っていける人間に一歩でも近づけたらなあとこの本をよむといつも思ってしまうのです。



posted by は at 09:46| サンフランシスコ ☔| Comment(0) | 読んでみました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月16日

ボビーバレンタイン

今日はちょっと趣向を変えて、好きなリーダーの話。色んな考え方があるかもしれないけど、私が好きなリーダーといえば、ボビーバレンタイン監督です。

今日、好きなビジネスリーダーについて話をする機会があったのですが、ビジネスリーダーといわれているのに、彼のことを話してしまうくらい尊敬しています。私は、別に大して野球が好きなわけでもないです。でも、多くのビジネスパーソンは彼から多くのことを学べると思います。

まず、彼の笑顔はいい笑顔をしています。つまらない人よりも、こういう人と一緒に仕事をしたら楽しいと思う。ストレスがたまることもあるだろうし、あほらしいと思うこともあるかもしれないです。でも、常に笑顔を保てる。そういう人に私もなりたいと思います。

さらに、彼は感受性が高い人だと思います。リーダーシップって感受性が多くの部分を占めると私は思っていますし、少なくとも私は人として魅力があって、「自分の価値観」を持った上で感受性が高い人と一緒に仕事がしたいと常々思っています。格好いいこといっても、いい人の振りをしても、結局感受性のない人は、やはり、から回っている感じがしてしまいます。彼の言葉はよく練られていると思いますが、それは観察と感受性によるもので、そういったことは人生経験でカバーしていくしかないのかなあと思います。リーダーシップを学問で学べるものでないと私が信じるのはそういった理由によるかもしれません。

私が本とかで学んだりした限り、彼は、非常によく色々なことを観察し、しかも、彼は周りの人に心からの関心を抱いているように見えます。周りの人がどう考えているかをうまく吸い取れるからこそ、周りの人を動機付けられて、かつ周りの人が「彼と頑張っていきたい」とおもうのかなあと。

そんな彼と去年話す機会がありました。
彼に、私は「日本人とアメリカ人では仕事に対する考え方も、モチベーションのポイントも違うとおもうけど、日本のコミュニティでうまくやっていく秘訣は何か?」と聞いたところ、彼はすかさず「私の通訳は本当に優秀で、何を表層的に言ったかだけでなく、どんなことを伝えようとしているのかもあわせて教えてくれる。そんな通訳と仕事が一緒にできることが幸せだ」と。びびりました。彼は周りの人のことをとてもよく見ているし、日本人がチームカルチャーをとても大切にするのも分かっていると。彼は続けました。「でも、もちろんそれだけに頼るのではなく、極力いろいろなことを自分の目でみるようにして、少しでももっと理解しようとしている。」と。彼は、メッツでワールドシリーズにいっているわけで、経験談をぶったり、「世界共通論」を語ることも可能なはずです。でも日本という環境で、新しくいろいろ学び、過去の経験とうまくからめて、いい結果を出していく。人として素晴らしいと思いました。

MBAなんていうのは、所詮学問なので、感受性を磨いた上で学ばないと本質的には意味がないと思います。アカデミックなスキルはないより良いけれども、もしそれだけで物事が解決するなら、人間はいらない(ロボットでいいわけで)。ここ、バークレーには、いろんな人といろんなかかわり方をするなどして、感受性を高めるチャンスは山ほどあるわけで、学業よりも、そういったものを大切にすべきだと思っています。学歴も留学経験も資格も、結局最後は、人間力にかなわない。留学にきて、いい意味でそこに立ち返ることができたのはとてもいいことだと思います。学問なら本を読めばいいわけで、いろんな意味で人としての力を磨いて日本に帰りたいと思います。


posted by は at 15:30| サンフランシスコ ☀| Comment(2) | 読んでみました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。