2009年11月26日

Real Estate Development

街は明日のThanksgiving(こちらは水曜日)一色となってきました。先ほどTurkeyを買いにいったのですが(今年は3年目にして初めて自宅でThanksgivingなのですが)、Turkeyであったり、その他さまざまなものを買う人でいっぱいでした。帰省する人も多く、日本でいうまさに年の瀬といった感じだと思います。金曜日にはBlack Fridayという日本でいう初売りが始まりテレビのコマーシャルも初売りセールが多くなってきました。

さて、今学期とっている授業の中で、特筆すべき授業は、Real Estate Developmentという授業です。

何でReal Estate Developmentなの?と思うかもしれませんが、去年医療機関でインターンしていたときに、病院、診療所のチェーンという業態にとって、不動産が財務的にもサービス的にも、重要な要素の一つであるということを学びました。私は不動産のビジネス経験はないわけですから、その道のプロフェッショナルになることはできなくとも、最低限、不動産はどのように開発されていくのか、そしてどのように評価されるのか、そして彼らはどのような「言語」を使っているのかということを知っておくことは、将来にとって役に立つかもしれないなあと思いました。そしてUC Berkeley Haas MBAは、不動産ビジネスが一つの強みであることもあり、最後の学期には、是非不動産開発の授業を取ってみようと思っていました。

課題がしっかりあって、タフな授業の一つではあるのですが、この授業がとても面白かったところは、大きく3つかなあと思っています。

1つは不動産開発という授業が財務、マーケティング、デザイン、組織論、リーダーシップ、法務など包括的に扱うものであるため、いい意味で色々なことの復習になり、かつそれと同時に、不動産については何もしらないに等しいので、自分のこれまでの知識を活かしながら、知らない世界のことを学んでいくというところ。例えば、あるコンセプトの下に出来上がったコンドミニアムをどのように実際に買ってもらうか(売っていくか)というところは、自分のこれまでのマーケティングの経験から、こうするかなあと授業の前に準備して考えていくと、自分の考えに当てはまるものもあれば、不動産特有の状況から当てはまらないものもある、そういったトレーニングがとても勉強になっていると思います。

2つ目は、グループプロジェクト。グループプロジェクトは、ある土地の不動産の開発プランを作るというものなのですが、これには財務シミュレーション、マーケティングプラン、開発までの折衝といった「ビジネスプランの側面」に加えて、建物のデザイン、レイアウトなどといった「建築物プランとしての側面」があります。今回の4人のメンバーのうち、2人は建築士、1人は不動産物件に関する営業、マーケティングをしている(残りの私のみ不動産未経験)ということもあり、各人が専門のパートをとり(私は財務パートをとり)、どういったプランにするかをグループでかなり練りました。

Public Healthのグループ演習の時にも思ったのですが、複雑で色々な側面から考えないといけないテーマに関して、違うスキルセットの人がそれぞれの特性を活かしながら、各人が責任感をもって、分担を分けてプロジェクトをやると、とてもいいものができることが多いし、とても学びが多いと思っています。今回のプロジェクトは、まさにそんなプロジェクトだったと思います。そういったことに加えて、建物、内装外装のデザインとか、建築士の人がどういった物の見方をするのかといった私が全く知らなかったものに触れることができたことも、とても勉強になりました(そもそも自分がその分野について、余り知らなかったからということもあるかもしれませんが)。

そして3つ目は、現場を見に行くツアーがあること。授業のない金曜日に完成されて、実際に使われているサイトへのツアー1回、そして建築中の物件へのツアー1回と計2回「現場」を見に行き、実際に開発、建設に携わっている人から話を聞くというものです。「現場」はやはりいついっても、座学では分からない、素晴らしいものを感じ取ることができるものです。

自分の一切知らない分野の授業をとって、不動産プロフェッショナルの人たちと不動産開発の勉強をしていくということは、容易なことではなかったですし、「本当に自分は劣等生なんじゃないか」と思うこともたまにありますが、勉強していく過程から多くのことを学びました。そしてそこで学んだことは、不動産ビジネスだけに関わらず、これからのキャリア全般で活きてくるといいなあと思いますし、活かしていかないといけないなあと思います。
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2009年11月16日

Designing Finanical Models That Works

こんにちは。
2−3日まで、Graderとして学生のペーパーをよみ、採点コメントするのにあけくれていました。前述したとおり、私、Graderのアルバイトをしています。ようやくひと段落しました。今学期は楽してリラックスするつもりだったのですが、そうはなかなかいかないですね。昨日は4thストリートにいって一日ゆっくりしました。こういった時間はとても大切だと思います。もうすぐまた友人も日本から来るし、楽しみなものです。

今日は昼バーベキューをします。さすがにこっちもBBQをするには寒くなってきたので、今日がことし最後、すなわちバークレーでの最後のBBQかなあと思います。そう思うと若干残念な感じがします。

さて、前置きはともあれ、今日、紹介するのは、Designing Financial Models That Workという授業です。
この授業は、
いかにモデルとして機能を果たしていて
いかにBugが少なくて
いかに誰が見てもすぐわかる
財務モデルをExcelで作れるようになることを目指すという授業です。

仕事の中で今まで山ほど財務モデルを作ったり見たりしてきましたが、慣れて経験を増してくると、複雑かつ、ややこしいモデルを作ってしまいがちです。とくに自分もそうですが、作りこめばこむほど、自分にしか分からない結果、「サービスとして使えないモデル」になってしまうことに警鐘を鳴らす授業になっていると思います。

Tasker教授はダイナミックな授業を展開していると思います。最初にコンセプト・原理原則を教えて、その上で、情報を与えてモデルを生徒全員に作らせ、他の人が作ったモデル(匿名にして)をみて、どうしたらよくできるかを議論するなど、よく練られています。生徒との1対1のレビューセッション(個々人がつくったモデルをみて、1対1でコメントしたりしてくれる)をもってくれるなど、とても生徒の面倒見もいい方だと思います。

この授業はとても実用的で、個人的にもここで習ったことは、授業直後からだいぶつかっている思います(Academicなものもとても大切ですが、こういう実用的なものも大切だと思うのです)。そして、何よりも、「サービスとして相手に分かりやすいモデル」という姿勢、意識づけがとても大切だと思うのです。
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2009年10月08日

病院マネジメントについての授業

何人かの人から、「病院経営、病院マネジメントについての授業」について聞かれたのでポストしてみようと思います。

バークレーでは、私の知る限り「病院経営」という名前の授業はないです。「なーんだ」と思われるかもしれませんが、「医療経営、医療に関する経営」という意味では幅広いコースがあると思います。

とりわけ、私がこの2年半の中で、とった病院経営に強く関連する授業をあげてみると、こんな感じだと思います。


−MBAの授業でもあり、MPH(Master of Public Health)の授業でもある授業(MBAの人はMBAとして、MPHの人はMPHとして単位換算できる授業)

0.Healthcare in the 21st Century:この授業は以前はIntroduction of the U.S. healthcare systemという名前でした。アメリカの医療制度における基礎を習う授業、当然のことながら病院などの医療機関が抱えている問題、あり方、うまく行っているところの事例などを習う。これはMBA/MPHの学生は必修で、1年の秋学期という一番つらい時期にかなりしっかりやるので、正直大変ですが、振り返ってみたり、読み返してみると、ここで学んだことがだいぶベースになっているという意識をうけます。いわゆる医療制度の仕組みが分かっていないと、それぞれの意味合い、用語も分からないので。ちなみにMBAだけの学生も取ることができますが2年秋学期の選択科目としてです。

1.Healthcare Marketing:病院などの医療機関、保険(こちらは民間保険ですので)、医療機器、製薬バイオなどにおけるブランディング、マーケティング戦略関係の授業

2.Healthcare Finance:病院などの医療機関、保険、医療機器、製薬バイオなどにおける財務戦略関係の授業

3.Strategic Management of Healthcare Organization:病院などの医療機関、保険、医療機器、製薬バイオなどにおける組織論系の授業

当然製薬会社と医療機関では、組織体やサービス形態、ビジネスモデルなどが異なるので、双方を踏まえながら授業が行われます。School of Public Healthの学生には、医療機関、公的機関、そしてNot-for-the-profitに進む人も多く、そういった意味でも、MBA、MPH双方の単位となる授業は医療機関のウエイトは高くなっています。そういったことに加えて、ビジネスビジネスした雰囲気の人が多いMBAと地域社会、公共医療のあり方などに意識が比較的強い(と私は思う)MPHの人は違った見方があり、その違いがとても勉強になるというよさもあります。医療は「金儲け100%」では決してあるべきではないものですから。


−MBAの授業の中で、結果として、病院経営に強く関わっていたもの

4.Social Sector Solution:
これは以前、ポストさせてもらったものですが、非営利団体にコンサルティングをするという授業。私達がお手伝いをさせていただいたのは、サンフランシスコエリアを中心とする医療機関で、どのように持続的にGrantと呼ばれる寄付金に強く頼らずに持続的にやっていくことができるか、というテーマで経営のあり方についてコンサルティングをチームでさせてもらいました。

5.Managerial Accounting:これは、授業のなかで比較的大きなウエイトをしめるグループプロジェクトが大学病院におけるものになっています。ちなみに私が習ったSuneel Udpaという先生は、Activity-Based Costing for Hospitals,とよばれる文献を発表していることからも、病院のエリアを得意としています。彼の授業は、Managerial Accountingという名前は付いていますが、会計という枠を超えて、戦略を浸透させる際に、どのように組織を戦略の方向にあわせていくか、そういった中で、Managerial Accountingをベースとした組織評価、インセンティブをどのように適用していくのか、そこの背景にある人の心理はといったところに常に意識がいくので、彼の授業はとても面白いです。


−MPHの授業のなかで、病院「経営」に強く関わっていたもの

6.Independent Study, Healthcare Quality- Evaluation and Improvement:これも以前、ポストさせてもらったものになります。医療の質をどのように評価し、どのように改善、管理していくかという教授と1:1の授業。医療に対しての理解を深める上でとても有用でした。「Care Experience」という意味での患者満足についての考え方も多く取り上げ、それに関する調査分析を医療機関に協力してもらい、行いました。

7.Capstone Seminar:これは、自主的にテーマを決めて、分析をして担当教授にペーパーを出し、口頭試問を受けるというものです。私は、日本における診断群分類包括評価(DPC)に関することについてさせてもらったため、日本の病院経営に関わったものになりました。

MPHには、医療法とか、医療におけるコミュニケーションとか、IT in Healthcareであるとか病院経営に関わるであろう授業は他にもいくつかあったのですが、授業の時間の兼ね合いであったり、日本への当てはまり感を考えたり(例:医療法)でとらなかったものもいくつかあります。


−その他

8.Health Information Services:これは、School of Informationの授業なのですが、いわゆる情報サービス、とくにWeb2.0+αと医療について考えるという授業でした。病院経営にダイレクトにという部分だけではないですが、例えば患者さんと、病院、医師とのコミュニケーションにおけるInformation Technologyの活用を踏まえての患者満足度や効率性への影響のあり方であるとか。そういった観点で情報サービスをとらえた授業でした。この授業を教えていたRavi Nemanaという教授は本当に頭の切れる先生(かつ人もいい)で、刺激的でした。



こんな感じで病院の経営に強く関連した授業は多くあると思います。いわゆるMBAと違い、MBA/MPHでは、MBA、MPHの授業双方を卒業単位の中でとれること、双方の先生を知れて興味のある分野においてMBAからでもMPHからでもIndependent Studyができること、そして、一学期多いことから、包括的に病院経営に関連する授業が取れるのかなあと思っています(手前味噌ですが)。2回インターンができるため、1回は医療機関でのインターンする学生が多いことや、MPHの多くの医療政策経営専攻の学生が病院フェローとして働くことなどから、病院、医療マネジメントに興味があるのであれば(MBA/MPHにもKaiser Permanenteなどの医療機関で働く人がかなりの割合でいます。)人脈作りという意味でも、MBAだけではなく、MPHとMBA双方を学ぶことでの恩恵は大きいと思います。

当然、すべての授業が毎年あるわけでもないですし、すべての授業が大当たりというわけではないですが、「とてもいい」授業があることは確実だと思います。学校側、MBA/MPHプログラム側も相当授業の質には意識があるように感じられるので、今後ますますいい刺激を受けられるようになるんじゃないかと思います。
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2009年05月22日

Public Health 200D - Putting theory into Practice

2年の春学期(ほとんどの人にとっての最終学期には)、バークレーのPublic Healthの修士の学生は、200Dという授業をとることが義務付けられています。この200Dという授業はいわば総合演習みたいな形で、グループを組んでプロジェクトを行うというものです。

この授業が他のPublic Healthの授業と決定的に違うところは、専攻にかかわらずグループがあてがわれるというところに尽きます。School of Public Healthには、さまざまな専攻があり、私がいるのは医療経営・政策専攻ですが、このほかにも、感染症専攻だとか、栄養学専攻であるとか、医療統計専攻であるとか、公衆環境衛生だとか、地域医療専攻であるとか、疫学専攻であったり、予防医療であったり、はてまたお医者さんのためのコースであったりと、Public Health(公衆衛生)という広い概念から考えられるように違った志向を持った人が集まっています。多くの場合、自分の専攻にあった授業をとるため、他の選考の人と授業をとることは多くはないのですが、この授業に関しては、専攻にかかわらず、グループを組むことになります。

私のグループは、栄養学専攻の人、医者の人、疫学医療統計専攻の人2人とわたしという5人でオークランドの豊かとはいえないエリアにおいて、どのように野菜・果物などの”フレッシュフード”を広めていくありかたについての分析というプロジェクトを行いました。

Public Healthの人のいいところは、バックグラウンドや専門性が異なっていても、基本的に社会や地域をよくしようという志がつよいこと、そして、専門性が異なるがゆえに、みなが「へー」と思うことがとても多いということです。たとえば、私達のグループの場合、医者の人は、当然のことながらフレッシュフードが欠如することによる疾患や医療全般に関して圧倒的に詳しく、栄養学の人は、どのように他の地域でフレッシュフードを(無償・有償)で提供しているかなどについて詳しかったり、また、私がビジネススクールでやっていることの一部は、(たとえばどうやって持続的に資金が回るようにするかとか、どのように対象者を絞り、その人たちに有効に情報を伝え、よりフレッシュフードに接する機会を増やすか)といったところは、Public Healthの領域であったりなどなど、各人みなが専門性を発揮しながら、地域をよくするという意味合いで協調して補完しながら、仕事をしていけたところがよかったです。これからも違った道にみな進むので、いろいろまた話が聞けたらなあと思います。ビジネススクールとSchool of Public Healthは違った人の集まりで違った経験ができる場だと思います。ビジネススクールに行くだけでは出会えない人たちに出会えるのがDual Degreeのいいところです。

もうひとつこの授業でよかったところは、オークランドのそういった地域にチームメンバーが足を運び自分達の目で状況をみていろいろなことを感じたり、そういったサービスをしている人のところにインタビューをしに行ったところだと思います。正直、このエリアは、隣の市バークレーに住んでいても、行く必要がなければいかなくていいエリアです。でもそういったところで何が起こっていているのかを知ってアメリカ社会の一面を実感することは、大切なことなのかもしれないと思っています。現場を見ずして、状況は良くできないと思うので。
posted by は at 01:54| サンフランシスコ ☀| Comment(4) | 授業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月02日

Competitive and Corporate Strategy

またもやご無沙汰してしまいました。

常々アップしたいとおもっているのですが、正直この1ヶ月は、だいぶ忙しくしてしまいました。9教科17単位(ほとんどが4月末にペーパーやプロジェクトなどのピークがくる)に加えて、Graderとしてや、学生コンサルタントとして(これらについてはまた書きます)少し働いたり、この夏のインターンのためにビザとかの手続きをしたり、来学期の家をどうするかとかをしている間に、あっというまに1ヶ月過ぎてしまったというのが正直なところです。ゴールデンウィークだとか、まったく関係なく、読んだり書いたり人にあったり、エクセルと格闘している間にあっというまに季節が過ぎてしまいました、、、

今日は、Competitive and Corporate Strategyという授業についてポストしようと思います。この授業はPaul TiffanyというHaasの名物教授が教えています。この授業は1月から4月までの月曜の朝8時からという、時間帯としては一番いただけない時間帯だったので、とるかとらないか、正直相当迷いましたが、これは本当にとってよかった授業だと思います。

彼はとても話がうまく、引き込まれるものがあります。そして生徒のバックグラウンドなどをとても早くとてもよく理解し、それらを授業に結び付けていきます。彼は「歴史的なものから学び取り、それを現在そして未来に結び付けていく」という彼のアプローチ(はんぱない知識量)に加えて、彼なりの事象の解釈、ストーリーを持っているかなあと。まあアメリカのビジネススクールの戦略の授業で、長崎出島の話や大政奉還の話をする人はなかなかいないでしょうし。

彼の話を自分なりに解釈すると、戦略の「背景」の重要性とりわけ、文化的なものであるとか、社風的なものとかがいかに重要であるかということを意識しているのであろうと、(勝手な解釈ではありますが)、と思いました。ここはとても共感できるところだと思います。現状でなにが起こっているかであるとか、現状の業界ごとのゲームのルールというところは、だれがみても大きくは変わらないと思うのですが、それをどのように解釈し理解するか、そしてその組織としてどのように、対応していくかというところは、多岐にわたるところであるし、多岐にわたるべきところだと思うのです。

戦略とは、数字だけ見て解が出るようなものでは決してなく、人がいて組織をつくり、その組織が動いていくことに影響を与えるものなわけで、そこには、名前があって顔がある「人」がいるわけですから、物事への取り組み方が、あるべき進む道が、それぞれの人、組織に対して異なることは(当たり前はあるけれども)とても大切なことだと私は思っています。彼は授業の中で、いろいろな企業が物事をどのように解釈し、どういう風に意思決定してきたかということを興味深く聞かせてくれます。

ある著名な建築家の方が戦略には「哲学」が必要でそこには「メッセージ」があるべきなのだといったようなことをおっしゃっていましたが、そのことと大いに通ずることだと感じました。

Berkeleyにて、いろいろな先生に出会い、いろいろ話をしたり、考えを聞く機会があったのですが、その中でもとくにひきつけられるものがあったひとつだったと思います。先生が世界中で講演やコンサルティングなのでひっぱりだこなのも、わかる気がします。
posted by は at 10:39| サンフランシスコ ☔| Comment(2) | 授業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年01月23日

Independent Study - Quality of Care(医療の質)

昨日の夜から、本当に久しぶりの雨がふっています。
年末から年明けにかけて振る雨が今年はほとんどふらず、早速水不足が心配されていたのですが、数日雨が降ることで(一回ふりだすと数日雨かくもりという感じ)、すこしは状況がよくなるといいなあとおもっています。

さて、先学期とった授業のいくつかを紹介したいと思います。そのひとつがQuality of Care(医療の質)というテーマについてのIndependent Studyです。Independent Studyとは何かというと、教授と生徒がテーマを決めて基本1:1で(あるいはグループで)授業をし、単位をもらうというものです。テーマは基本的に授業にないもので、生徒がどうしても勉強であったり、分析であったりしたいと思うものといったところでしょうか。ビジネススクールであれば、ビジネスプラン作成とか、無給の企業や非営利団体へのコンサルティングとかを単位にしてもらうひとがいたように思います。

私はヘルスケアマネジメントを学んでいて、医療機関に対するコンサルティングの経験が有るとはいえ、お医者さんなわけでもないわけですから、医療の質にたいする考え方を一歩掘り下げて持っていることは、今後この業界に対して深くかかわっていく上で、重要であるとおもったわけです。

本来は、School of Public HealthにはQuality of Careという授業はあるのですが、それがあいにく去年の秋はキャンセルされてしまい、学部に、でもどうしても医療の質について勉強したいからIndependent Studyで授業をさせてくれ!と頼んで、Independent Studyとして授業をしてもらうことになりました。

具体的には、
・School of Public Health(私はSchool of Public Healthの学生でもあるので)から2単位もらって
・そもそも医療の「質」とは何か、それをどのようにはかるか、計数管理するか、また、その質を上げていく手法と、それぞれのその良し悪し、そして実際にそれらを各事業体(公や、病院、診療所など)が協力して施策する上での障壁や、質向上施策を導入する際の成功事例、失敗事例とその要因などについて
・論文を読み(2単位でこんなに?5単位分くらいなんですが・・・と思いました)、まとめ、批評し、それを基に先生と1:1で議論をし
・そして小さな(作業量は多かったですが)プロジェクトをひとつやりました。

それを通じて思ったことを2つほど

1.Independent Studyはとても良い制度です:学びたいこととテーマががっちり合うし、先生との時間をじっくり持てる

上記の通り、私は医療における経営について学んでおり、卒業後は、学んだことをつかってほんの少しでも社会に貢献できればと思っています。なので、将来このテーマについての知識が役に立ちますかといったら、必ずそうだと答えると思いますし、学んだことを活かせそうですか、といったらまあ間違いなくそうなんだろうとおもいます。

なので、先生とのがっつりとした議論とかの後とかにも「ああ、こういう考え方はこういうときにしたらいいかも」とか、いろんなものが「わいてくる感じ」がして、とてもよかったです。会話や議論がどんどんどんどん深まっていく感じは、なかなか10人以上の教室では味わえないので(その分色々な視点について聞くことができますが)、そういった意味でも、とくにこの「質」というテーマではとてもよかったと思っています。

2.現場経験をしっかり持っている教授の場合、「リアルなコメント」がきけて面白いことが多い。

もちろん、研究者としてやってきた人でも面白い授業をする人がたくさんいます。ただ、個人的には、実際のビジネス、特に現場に近いところにいた人の場合、「つぼ」を押さえていたり、考え方が共感できる(すっと入ってくる)ような気がします。

今回の教授は、UCバークレーの教授でもありながら、他の組織でもビジネスパーソンとして働いているドクターで、現場の感覚とアカデミックの視点を持ち合わせた人でした(とても切れ者で、かついい人で面白かったです・・・先生が忙しすぎてスケジュール調整にてこずったのが難でしたが、まあそんなのかわいいものです)。なので、議論していてとても勉強になることが多かったです。

特に「質」についての議論は色々な理由で「答えがない」ものであるがゆえに、人との議論を深めることは本当に自分にとって、「気づかなかった(あるいは忘れていた)落とし穴」的ポイントについて考えさせてくれたり、共感できる問題のりこえかたであったりと、個人的にはかゆいところに手が届く感じがとても好きでした。

正直、この授業のおかげで、前の秋学期、私の週末はかなりやられてましたが、多分卒業しても記憶に残る授業の5本の指に入ると思います。Nativeレベルからは話しも書きも遠い私に丁寧に付き合ってくれて、いい刺激をくれた先生には感謝しているのです。
posted by は at 13:06| サンフランシスコ 🌁| Comment(3) | 授業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月25日

Global Health Economics

ご無沙汰しておりました。
こちらは、先週まで20度以上ありました。去年はこの時期寒かった&ヨセミテに行くことにしていたので、日本から来た友達に、「色々防寒対策持ってきたほうがいいよ」とさんざんいっていたのですが、全く不要でした。何か9月くらいからだらだらと似たような天気な気がしました。

なんだかんだしている間にハロウィンが終わり(日本で最近ハロウィンがブームになりつつあると聞き、若干ショック・・・日本や日本人にはあわないのではと思ってしまうのです。)、ヨセミテに行き、さすがに今週くらいから、少しずつ寒くなってきました。日も短くなってきたし、だいぶ冬に向かっているんだなあと思います。

さて、今学期は、School of Public Healthの授業を多くとっていて、そのうちのひとつにGlobal Health Economicsという授業があります。Economicsと名前はついていますが、各国の医療制度(サービスのあり方、お金の流れ、政府の役割)とその上手くいっているところ、上手くいっていないところについて、教授とゲストスピーカーの人が、6カ国くらい(だいたい週に1カ国)毎週話し、それ以外の週は、学生が各国の制度や問題について丁寧に調べてきてプレゼンとQ&Aをする感じでしょうか。

この授業について、思うことをすこし書いてみます。

まず、国が違えば、医療制度や医療に期待することも(何にいくら払うか、どれくらい待たないと診察を受けられないか、誰とどれくらいどんなコミュニケーションをするか、どれくらい入院するか、入院環境はどんなか、どんな技術が使われているか、どんな取り組みがなされているか)など違うわけで、色々な工夫が世界中でなされているんだなあと。

日本の医療制度、医療にかかわるサービスも、他の国に比べてぬきんでていると思えるところも多くある(たとえば、「頭が痛いんだけど」ってかかりつけ医に電話で言ったら、「じゃあ2週間後にきてください」といわれて、そんなものか。と思う人が多いであろう国もある中、日本はだいたいすぐ診てもらえてコストも安い。。。これって当たり前のようですごいことなわけで)なあと思います。それと同時に、他の国からこういうことが学べるということもあるんだなあとおもったりもします。色んなところに色々なレベル(それこそ、国レベルの政策から、地方、病院、診療所、はたまた個人レベルの取り組みまで)でよりよくなるためのヒントがあるんだなあと感じるわけです。

「他の国」というのが、ここでのポイントで、別にアメリカ、イギリスとかといった大国が必ずしも群を抜いて素晴らしいわけではなく、国ごとに良さがあるといったところかと思います。私はよりによってデンマークの医療制度について勉強し、ペーパーを書いていますが、デンマークのかかりつけ医の制度はとても面白い側面を持っていて学ぶべきところがあるように思います。さらに、授業を踏まえて言えば、デンマークに限らず、キューバにしても、カナダにしても、東欧にしても、インドにしても学ぶべきことはあると感じます。極論すれば、違いがあるということは学ぶことがあるということで、その違いを、偏見なく、丁寧に興味を持ってみることが大切なんじゃないかなあと考えるきっかけになっているわけです。

私はたまたま日本に生まれ、たまたまアメリカで今勉強していますが、どんな国にも文化があり、死生観があり、医療があり、そこでよい医療を提供しようと頑張っている人がいるわけで、みんなが眼のいきがちな、いわゆる「大国」ばかり見ていても、理解の枠はたいして広がらないかなと。できる限りフィルターをかけずに、幅広くアンテナをもちつつ、自分の頭で考えながら、「どういった要素」ある国の(たとえば日本の)医療をよりよくするか、「どういったほかの国での取り組み、仕組み、技術が」がその国に応用可能なものか、といったことを考えていくことは大切だなあと気づかせてくれた授業でした。

そんなことを考えると、やっぱりいままで以上に自分の目で世界をみないと(観察しないと)なあと、そして、もっともっと考えないとなあと思うわけです。

お金が無く、簡単に実現できそうにないのがネックですが・・・


posted by は at 17:56| サンフランシスコ ☁| Comment(0) | 授業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年07月25日

Social Sector Solution

バークレーは、Non-Profit Managementにとても力を入れている学校であり、とてもそういった分野には、面白い授業があります。(いい授業があるからか、そういった分野に興味をもつ生徒が多いです。Non-Profitに興味が全く無い人でも、違う視点でビジネスやマネジメントを考えているクラスメートと話せば絶対面白いと思います!)。今日は、その授業のひとつで、春学期にとったSocial Sector Solution (S-cubedと呼んだりもしています) についてポストしてみようとおもいます。

この授業は、Non-Profitの機関(たとえば、教育機関、公園や自然関連、美術館そして、非営利の医療機関など)にたいして生徒の5人のグループがコンサルティングファームの(今年はマッキンゼーでした)のコーチとともに3−4ヶ月にわたってコンサルティングをするというものです。結構な人気コースで、なぜこの授業を取りたいかやどういうバックグラウンドか等、エッセイを書いてのセレクションもあります(IBDと呼ばれる、バークレー特有の夏休みにクラスメートと海外にいってコンサルティングするクラスも同じようなプロセスです)。Nora SilverというNon Profitで長くマネジメントをしていた著名な講師がBerkeley Haasにはいて、その人が、コーディネートしているクラスです。

私達MBA/MPHの学生は、もちろん医療機関。私達のグループは、サンフランシスコの比較的治安がよくない&裕福ではないエリアにあって、そういった地域に住む人たちにいい医療を提供することをミッションにしているAという医療機関で、持続的にどのようにビジネスをしていくか(おおまかにかくと)というテーマのもとコンサルティングをしました。

インタビューをしてデータを分析して、パワーポイントをつくってプレゼンテーションして、クライアントと話をして、という一連の流れは、コンサルティング会社での勤務経験がある私にとっては、必ずしもとても真新しいというものではなかったですが、それを異国で、母国語以外で、しかも自分が「本でよんでも話にきいてもわからず、実際に目で見て耳で聞き、心で感じないと分からない環境」に行って仕事ができたことが素晴らしい経験だったと思います。

とくに、実際にそのエリアを訪れて、そのエリアで、よりよい医療を提供しようという志をもった熱いお医者さんたちと話をして、そして、サービスを行っているサイトを見学して、という部分がなによりよかったです。僕らがしらないところで、こんなふうにして社会をよくしようと、活躍されている人がいるのか。と心を打たれ、そしてどういった苦労をしてられるのかということについて深く考える機会にもなりました。

さらに、こういったテーマについて、そしてアメリカのヘルスケア事情をよく知っているクラスメートと一緒にプロジェクトに携わるというのは、自分の見聞を大きく広げてくれました。彼らの常識が私にとっては「へー」と思うこと、とても多くありました。たとえば、日本では、寄付の集め方なんて、考えたことなかったですもの。

座学ではなく、実践型授業。そして、言語、こちらの医療制度の理解などなどをプロフェッショナルとしてのレベルに仕上げるのには、時間もかかり大変でしたが、その分とても学ぶことがありました。最終のプレゼンテーションの時に、一緒に仕事をしたクライアントのカウンターパートの人と握手したときに、(当然反省することは多くありつつも)、一生懸命やってよかったと思いました。そして、バークレーにこういったユニークなクラスがあったこと、そういったクラスをとることができたことにとても感謝をしたのでした。

バークレーでおすすめの授業のひとつだと思います。
posted by は at 13:30| サンフランシスコ ☀| Comment(0) | 授業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月11日

Consumer Behavior

今度の水曜日の日本への出発に向けて、荷造りなどをはじめています。
1年ぶりの帰国になるので、だいぶ盛り上がっているところです。どんなふうになっているか、ネット(のニュースとか)でみる日本と自分の目でみる日本との違いを楽しみにしている面もあります。


さて、今日は今期のヘルスケア関連以外の授業の中で、一番よかったと思うコースについて紹介したいと思います。

これもまたマニアックなのですが、「Consumer Behavior」という授業です。Eduardo Andradeというブラジル人の先生が教えています。

この若手で陽気でユーモアたっぷりの先生が教えている授業ですが、教え方はもちろん、私がとてもびっくりしたのは授業の質でした。私は、以前消費財メーカーで、消費者のニーズの分析とか、マーケティング戦略とか、そういうことをやっていたので、多分、学校の中でもそういったことについてよく知っている部類の人間だと思います。(ファイナンスとかITとかをやってきた人と比べればということです。)そんな私ではありますが、とても、とても楽しむことのできた授業でした。

たとえば、

なぜワインのメニューリストの中で特定の位置にあるものがそうでないものより売れやすいか。

100円引きと、50円引きをさらに50円引きとでは、何が違うのか

パッケージの色によって、ブランドイメージとかパーセプションとかがどのように変わるか

とかそういったことについての示唆を、消費者(つまり人間)の記憶や認識、動機付け、感情、選択プロセス、そして個人個人の満足の「つぼ」、などからみていくというもので「へー」っとためになる、そして今後社会にでても明らかにつかえる概念を学ぶことができたと思います。

もちろん授業の進め方も、面白く、ほぼ毎回の授業で生徒と実験をして、生徒が体験しながら、心理を学んでいくというところは個人的にとても楽しかったです。

全体像をつかむという意味で数字を見ることというのは大切だと思うのですが、結局、最後は個々人の心理や行動にどんなことも落ちる(だから全体像と個々人の両方をみれたらいいな、)と信じているので、Consumer Behaviorを(仕事ではなく)学術的に体系的に勉強することは、どんな業種、職種にいくにせよ(人と接する仕事をする以上)、自分にはとても有意義でした。

来年は、この先生はサバティカル(1年間、講義をしない年)なので、再来年(今年秋に入ってくる学生が2年の春)に、講義をすると思います。要注目の授業だと思います。
posted by は at 16:21| サンフランシスコ 🌁| Comment(2) | 授業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月01日

Operation

日本はゴールデンウイークですね。うらやましいです。
こちらは、春学期も終わりが近づいてきています。もうあと2週間ちょいというところですね。今学期の授業のいくつかをまたピックアップしてみたいと思います。

今日はOperationの話をします。

オペレーションをここで選ぶなんて、また地味だなあと、われながら思ってますが、これが本当によかったです。

当初は、まあ、そんなに、興味もないかもしれないし&ある程度知識があったので、Waive(必修科目を事前にテストを受けてパスする仕組み、現にマクロ経済学はそれで授業をうけませんでした)しようかなあと真剣に考えていたのですが、自分が将来やりたいことのいくつかを友達に話したところ、その友達が、「じゃあオペレーションをかなり勉強したらいいと思う」といわれて、そうだなと思い、授業をとることにしたくらいなので、正直多くは期待してなかったのですが、本当にいい授業でした。

Terry Taylorという若手の教授がやっているのですが、
1)オペレーションの授業っていうと数学の延長みたいな感じがしていたのですが、そんなことは全くなく、数字と心理、理論と実践を両方おさえている。
2)授業のテンポがとてもいい、学生の質問にも丁寧に的を得て答えてくれる。なんていうか覇気があって、しかもコメントに切れがある。
3)生徒への関心も高い。みんなの名前もすごい短い時間で覚えて、道であっても名前で呼んでくれ、いろいろ話をしてくれる(これは少人数学校の魅力かもしれないですね)とか。メールもすぐでかえってくるし。

おかげで、オペレーションをもっと勉強したいとか、習ったことを仕事でもっと活かしたいという意欲が強くなりました。特別なことを習ったわけではないけど、学んだり、仕事でいかしたりすることへのモチベーションが明らかにあがったと思います。

こっちは(少なくともうちの学校は)とても教え方がうまい、生徒を伸ばす先生が多いですよ。それは本当にいいことだと思います。日本も教え方がうまく、習ったことを活かしたい、その分野をもっと勉強したい!と増えるといいなと思っています。

そういう先生の下で学ぶことができることは(仮に習ったことの一部をいずれ忘れてしまうとしても)、一生の贅沢だとおもいます。

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2008年04月03日

Leadership Communication

リーダーシップコミュニケーションは秋学期の授業で、もう終わってからだいぶたつのだけど、とてもいい授業だったし、明日そのメンバーで飲むこともあるので、そのよさを書いておきたいと思いました。

授業はたしか7回くらいで、1回3時間。講義+10人の少人数でインストラクターがついての実践です。ある回は即興スピーチをしたり、ある回は、(もちろんネイティブと)ディベートをしたり、そしてある回は準備してきたプレゼンテーションを発表したりということをして、10人のチームメートやインストラクターからフィードバックをもらう、という形のものです。

とてもいい先生で、講義は当然プレゼンテーションの仕方にも触れるのですが、コンテンツについての講義がとてもよかったので、それについて。

1)本当に信じることを語っているか。彼はAuthenticityといっていましたが。本当に信じていることじゃないと、自信をもって話せないし、過去の自分の行動と自分の中でも聞き手の中でも結び付けられないから、プレゼンテーションが薄っぺらくなってしまい、周りの人を本当に動かすことができない。

2)リスクをとっているか。あえて反対が起こりうるようなテーマで自分の考えをしっかり持て。みんなが賛成できるテーマではなく、賛否両論があり得るテーマで自分の「考え」を深め、それを自分の信念とともに伝えることはとても重要。(たしかにそうでないと話としての面白みがない)

3)2)につながるんだと思うんですが、スピーチの形に入る前に、考えをしっかり練っているか。彼は、ディベートの意義は自分がいいと直感的に信じていることが本当にいいことなのかを確認させ、その考えを深める場、といっていた気がします。日々そういった意識をしていることで、信念にも考えにも、行動にも貯蓄ができるわけで、それを出していけば、いいプレゼンテーションができるんじゃないか。とそんなことをいわんとしてたのかなあと思います。

あとは、Audienceの心情を考える、どんな立場の人がどんな気分でスピーチを聞いているかということは、とても重要に思いました。話をひとつするにしても、考え抜くということはとても大切だなと実感する、いい授業だったと思います。そして自分の特徴を知る。やっぱりNativeではないので、ゆっくり、分かりやすくとかって、僕の場合は重要なんだろうなとか、そんなことをクラスメートからいろいろ教えてもらいました。

この授業でPrepared Speechを二本書いてスピーチしたのですが、今書けといわれたら、きっと選ぶテーマが秋(忙しかった&このクラスで習ったことを理解しつつある段階だった)とは変わってくるかなあ。きっともっと、自分がどうしても話したい内容を、どうしてもクラスメートに聞いてもらいたいテーマで日々の僕の行動にもあったスピーチができるんじゃないかなあ、って気がします。うまいスピーチになるかどうかは分からないですが、気合の入ったスピーチができそうな気がします。パブリックスピーキングじゃなくても、自分の考えや信念をうまく伝えられる気がします。そんなことを考えられるだけでも、この授業は大きな価値があると思います。
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2008年02月19日

Marketing

今日はMarketingの授業について。

MarketingはMBAコアの授業で1年の秋学期にとります。
Rashi Glazerという教授が教えています。彼はバークレーの名物教授の一人といわれています。当然受け取り方は人それぞれ賛否両論でしょうが、私はとてもいい授業だと思います。

彼は、よくも悪くもいくつかのテーマを持っていると思います。それを口に出して言うことはあまりないですが、意識して授業を進めているような気がします。
たとえば、「あるタイプの商品や技術が一部の人から世の中全般に普及していく過程でのディファクトスタンダードを狙ってのマーケティング戦略」であるとか、「世の中の流れを深くみて、その先を予見してのマーケティング戦略」とか。もともとHi-tech Marketingを専門にしているだけあって、そういったところに機軸をおいた上で、「マーケティングの基礎」をやっている感じです。マーケティングをやったことが全くない人にはもしかしたら、彼が意識して伝えないこともあり、ぴんとこないかもしれませんが、なんらか携わったことがある人なら、きっと面白いと思います。私も、自分の経験があったことが幸いして、分かる、役に立つみたいなところが多々あるようなコースだったと思います。

基本全部ケースなので、当然予習はがっつりやっていかないといいContributionはできないのですが、やっていけば、ためになる授業だと思います。

ただ難点なのがケースが古いこと。確かに古いケースでもビジネスやマーケティングの本質が変わらないのは確かにそうだけど、さすがに21世紀のケースを!と思うことがあるのはきっと私だけではないはず。

そうはいっても、ビジネスプランコンペティションとかをやったりするときに、どの授業のことを思い出すかといえば、この授業のことなので、そういう意味では、この授業は少なくとも僕にとっては、非常に有用だと思います。まあ、なんだかんだいろんな意味で強烈な授業ですが、それはそれで長く記憶に残りいいものだと思います。たまに無性にカレーが食べたくことが私はあるんですが、そんなことと同様に、また、多分気が向いたころに(3年後くらいか)にもう一度とりたくなるような感じの授業だと思います。

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2008年02月14日

Data and Decision Making

コアの授業のひとつに、Data and Decision Makingというものがあります。

Data and Decision Makingは、多分私が思うに、昔は「Stats=統計学」という授業だったんだと思います。確かに統計学の要素も多く扱うので。ただ、Data and Decision Makingという名前から分かるように、統計学以上のものになっていると思います。

意思決定をするときに、どんなリサーチデザインであればいいか、どんなサンプルであればよいか、どれくらいの差があれば統計的に有為か(ここは統計学ですが)ということ全体をみています。たしかに統計学だけ知っていても、もとのデータがどんなデータなのか、どういった形でとられたのかとかを知らないと、「データ」から正しい意思決定に使える「情報」を生み出すことはできないので、マーケティングであれオペレーションであれ、MBAを卒業すると多くの人は、サンプルの数字に基づいて意思決定をすることがあるわけで、そういう意味でとても有益なコースだと私は思いました。

他の学校は全く分からないですが、私がバークレーで好きなところは、コースをデザインする人も、授業を教える人も、授業が実践的な要素を含み、学校を出たあとで「使える」ものであろうとしているところだと思います。そして、授業もよくない要素があると、少しでも毎年コースをよくしていこうという姿勢が見えるところだと思います。「使える授業」、当たり前に見えるけど、大切なことだと思います。
posted by は at 08:18| サンフランシスコ ☁| Comment(0) | 授業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月28日

Financial Accounting

UC Berkeley HaasのMBAでは、必修科目が、Marketing, Finance, Financial Accounting, Leadership, Leadership Communication, Operation, Data and Decision, Micro Economics, Macro Economics, Organization Behavior, Strategy, Ethicsとあります。(MBAの卒業に必要な単位51単位のうちの21単位だと思います。)、今日はそのうちのFinancial Accountingについて、思ったことをつれずれと書いてみることにします。

Financial Accounting? と思われる方も多いかもしれません。まあ、普通に考えたらそんなに盛り上がる教科じゃないと個人的に思います。MBAといったら、やれMarketingだとか、Strategyだとか、Financeだとかそういった科目が話題に出てくることが多いと思います。正直財務会計を楽しみに、と言う人は殆どいないと思います。

もちろん私もそのひとりで、Accounting? めんどくさいなあと思っていました。コンサルティングをやっていたときに、財務諸表を読んだりということは、そこそこやっていたので、Waive(テストうけて受かったら他の選択科目をかわりにとれる)しようかなとも思ったくらい。でも、まあ初めての学期だしとりあえず全部やってみるかと思い、やってみることにしました。

私たちのときこのAccountingを教えていたのはSuneel Udpaという先生だったのですが、彼の授業はとてもよかったです。彼のおかげでFinancial accountingをだいぶ満喫できました。

彼の授業は、「経営者は、会計上の数字を(合法的ななかでも)よく見せたい」、でもアナリストは「正しく分析して正しい投資判断をしないといけない」という双方の心理からはじまって、どうやって経営者が「よく」見せようとするか、どうやって、「正しく」分析しないといたいめをみるかという話につながっていくものなのですが、今までいろいろなところで習ったAccountingの教え方の中でベストだと思いました。Accountingのイメージは「仕組みはどうか」というところから始まりがちで、「暗記」だけして結局忘れちゃって使えないんだろうな、って思っていたんですけど、そうやっておしえれば、ためになるし、いずれ使えるなあと。人間の心理と仕組みをつなげて教えるのは、Accountingにかかわらず本当にいい方法だと思いました。

あと彼のJokeのセンスがまじいいです。クラスでは笑いが絶えません。しかも人を傷つけて笑いをとる芸風ではなく、自分を落とすか、Accountingをネタに笑いをとるところとかもいいです。

結局ここで思ったことは、どんなテーマも教え方を工夫することで、楽しくもつまらなくもなるということ。どんなことも人の心理とかかわっているということ。面白いものです。こういう先生に会うことができて、こういうことを考えることができるのもMBAの醍醐味だと思います。
posted by は at 04:42| サンフランシスコ ☁| Comment(0) | 授業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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