今日は、UC BerkeleyのMBA/MPHプログラムについてポストをしようと思います。私が行っているこのプログラムは、医療経営に興味がある人のためのプログラムと考えてよいと思います。日本人がほとんどいない(いままで卒業した日本人は一人だけと聞いています)こともあり、質問を受けることが多いです。過去の学校のプログラムについて(1)というポストも参考になるかもしれません。
そこにのっていない主な質問で行くと、
1)授業はハードなのか。
結論からいうと、MBAよりはきついけど、何とかなるというところだと思います。MBAの卒業単位数が51であるのに対し、MBA/MPHの卒業単位数は80です。MBAは4学期のため、学期平均にすると12強、MBAMPHは、夏休みとその後のインターンで算定できる6単位を除いても、74単位で、5学期で割ると、学期あたり15弱となります。
1年の最初の学期のMBAだけの生徒が14−15単位なので、単位数で見ると1年の最初の学期よりも、ややきつい感じが2年半続くというワークロードだと思います。正直15、16はぜんぜん何とかできる範囲ですが、17を超えてくると授業以外の事をすることに若干支障がでます。私は2年の秋学期(今から1年前ですね)に20単位とりながら、インターンをしました(普通のMBAの人の2倍近く授業をとってインターンをすることになるわけです)。終わってみれば何とかなるのですが、それは、とてもつらかったですし、クラブ活動などの課外活動などに大きな制約が出ました。20単位そこでとったおかげで、今学期はだいぶ授業以外のことをする時間もあるのですが。
MBAにおいて授業は一つの側面に過ぎず、クラブ、業界団体などの課外活動を含めてどんなことをするかが大きいところであると考えると、楽とはいえないと思います。特に就職活動もする人は、大変だと思います。それでも、何とかはなりますが。
2)MBA/MPHでのイベント
−月に一度のランチ:プログラムについての先生からのアップデート、生徒からのフィードバック、これからのイベント等の紹介、各人のインターンシップ、インディペンデンテントスタディーなどの発表、ヘルスケア関連の授業の評価、ごくたまにゲストスピーカー、そしてクラスメートとランチをたべながら雑談といった感じでしょうか。できる限り参加という感じだと思います。秋は1年から3年までが揃う感じだと思います。
−MBA/MPHの人限定のExecutive Interview:各業界のトップの人を訪問して話をします。私はKaiser PermanenteのCEOの会に参加しました。生徒5人くらいで1時間、CEOの思いを聞いたり、私達が聞きたいことを聞いたり、という感じです。
−秋のNapa Sonoma Tour:懇親会みたいな感じでしょうか。MBA/MPHの1年生から3年生までで、NapaやSonomaにバスを借りていき、ワインを飲んだり、昼ごはん食べたり、そんな感じです。
−卒業イベント:MBA/MPH生は12月卒業という、普通と違う形なので、卒業イベントをやります。卒業する10−15人の生徒とその家族、1年生、2年生が通常参加して12月に行われます(私達のときは最後の学期に交換留学にいく生徒がどういうわけか多く5月でした)。レストランで行われて、プログラムを統括しているKristi Raube教授が一人一人のエピソードを若干面白く話したり、とかいう感じのイベントです。
−メンターシップ:MBA/MPHの1年生にMBA/MPHの2年生と3年生のメンターがついて、授業や、キャリアについて困ったことなどを相談するといった感じです。私のメンターもごたぶんにもれずいい人で、何度も話をしたり、食事をしながら、困ったことなどを相談させてもらったりしました。「インターナショナルでティーチングアシスタントはできるのか」、とか「病院のインターンの仕事は見つかるのか」とか、今思えば何とかなることでも、当時は不安だったし、そういうことを支えてくれる人がいたのは幸せなことだったと思います。
−授業:MBA/MPHの人はとることが求められているコースが、MBAの人よりも多く(当たり前ですが)、一緒に学ぶ機会が多くなります。
3)MBA/MPHでよかったこと
人との出会い。これにつきると思います。先生、企業の人たちももちろんそうですが、何よりクラスメート。やはり、限られた仲間なので、一体感もわくし、とてもいいです。UC BerkeleyのMBAとかMPHとかそんな学位はともあれ、ヘルスケアをよくしたいという、志のたかい人たちと一緒に学び、いろいろ話し合い、聞きあいという経験はきっとこれからの財産だと思います。当然色々な人がグループの中にはいますが、この10人、そして15人の中には、一生仲良くしたい、そしてこれからも刺激を与えあいたい人が多くいることは間違いのないことだと思います。
長く感じますか?
私はLSHTMでMSc PHをやっていますが、ギューギューで2年なら良かったなあと思うこともありますが、2年も身が持たないような気もします。
どんなものでしょうか?
いつもありがとうございます。
おっしゃられるように、2年(私の場合は2年半ですが)は、長いなあと思うこともあります(特に2年目の半ばあたりから、やりたいこととかが明確になってきて、社会に早く戻りたいと思うことも時折あります)。
たしかに、私の友人の中にも何人か1年マスターをイギリス、ヨーロッパでしている人がいますが、話をきくと、大変そうだなあと思います。きっとそこまでの大変さは2年、2年半のスクールにはないかなあと思ったりもします。個人的には、(1年プログラムを経験したことがないので、比較が難しいですが)1年の方が大変そうに感じることが多いです。
私には2年半のプログラムは合っていたかなあと思います。夏休みの3ヶ月のインターンが2回でき、アカデミックを学びながらも、実地を多く積むことができること、そしてこちらの「現場」にいろいろな形で触れることができることも大きな特徴かなあと思います。それと同時に物事の文化的背景を理解するにも、私の場合は2年必要だった気がします。
大変でしょうが、是非がんばって素晴らしい経験をなさってください。またブログ拝見させていただきます。
英国が10年がかりで医療システムの改革をおこなったとのことで 日本の参考になりそうな文献や外国での 医療分野の情報システムなどの URL集を纏めました。
UC Washington CampusにてPublic Policy Making Processについて勉強したこともあり 国内の医療関係の社会政策のプロセスについても調査致しました。
日本医療政策機構というThinkTankがあり定例朝食会、次回は1月7日とのことです。
東京のUCB卒業生の会にてお待ちしております。
http://www.berkeleyjapan.net/
Berkeley Campusの航空写真です:
http://www.panoramio.com/user/2873947/tags/San%20Francisco
将来、医療ビジネスに携わりたく、MBA/MPH/MHAについて、色々と調べています。ブログ読ませて頂き、大変参考になりました。日本でも、東京大学・京都大学などでMPHを取得できるかと思いますが、やはりUSのほうが先進的なのでしょうか?
よろしければ、アドバイス頂ければ幸いです。
返事が遅れてしまい、大変失礼いたしました。
USと日本でどちらが先進的かは、日本の大学院にいっておらず、比較できる立場にないので正直わからない、というのが本音です。
私の知人で、日本でMPHをとった方を知っておりますが、その方も良い学びがあったようです。
アドバイスとして十分かはわかりませんが、もし「こういったことがしたい」ということが明確にあるのであれば、その「将来したいこと」に関連する領域について、具体的にどういったことが学べるのか、どういった経験(クラスメートからの学びや、インターン経験なども含めて)ができるのか、候補の学校に聞かれてみるのも一つの方法かもしれません。その上で、日本・海外問わず自分に一番あった学校を選ばれてみてもいいのかもしれません。