さて、表題のヘルスケアマネジメントについて、少し考えてみました。いろいろなビジネススクールが「ヘルスケアマネジメント」のMBAということをうたっていると思います。私は当然バークレーしか行っていないので他の学校の状況について、コメントをすることは難しいかなあとおもうのですが、MBAや似たプログラムにアプライされる方でヘルスケアマネジメントについての質問をいくつか受ける機会があったので、ポストしようと思います。
まず、ヘルスケアマネジメントとかMBA in Healthcare managementとかはとても広い概念だと思います。個人的な見解としては、製薬企業(バイオテクノロジーも含まれる)、医療機器、保険者、病院では、それぞれ、違った顧客を対象にしているし、物を売るかサービスを提供するかという意味でも異なってきます、また製薬企業、医療機器等は営利企業ですが、保険者、病院等は非営利として活動しているところも多くあります。それをひとくくりにヘルスケアビジネスというようにくくってしまうのは少し広いのではと思うことがあります。
学校によっては一部のエリア(例えば、製薬・医療機器とか)に強い特徴をもった学校もあるんじゃないかなあと思っています。
バークレーは、上記のバイオ、医療機器、保険者、病院などにマッチするように(それと国際医療もですね)プログラムディレクターがかなり授業の中身やキャリア用のネットワーキング、そしてゲストスピーカーなどがんばっているように思います。
さらにまたこのベイエリアには上記の大手すべてが揃っていることもあり、現に私が通っているMBA/MPH(Master of Public Health)を出た後のキャリアは、医薬品、バイオ、医療機器、保険、病院、それらに特化したコンサルティング、International healthなど例年幅広くなっているんだと思います。
UC BerkeleyのMBAの学生は非営利(Not-for-the-profit)に対する意識が圧倒的に高く(人はバークレーをテクノロジーの学校だとか言ったりしますが、私の個人的な印象ではそんなことよりぜんぜん「社会貢献系」の意識が強い人の多いビジネススクールだと思います。)現に卒業後、教育、環境、医療、CSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任)などそういった領域で働く人が(データは手元にないですが)とてもとても多いです。そういった文化的な背景が、一般的に給与が高くMBAを採用する機会が多い製薬、バイオ、医療機器などではなく、病院、International Healthなどの領域で働く人を生んでいるということもあるかもしれません。
バークレーに限らずかも知れませんが、MBAだけを出て、医師でない方で、病院とかで働く事例というのは余り聞かないかもという気がします。その理由としては、こちらの病院とかが、MBAだけよりはHealthcareのEducationを受けた人(Health Management専攻のMPHとかMaster of Healthcare Administration (MHA)とか)を優先して採用するからかと思ったりもします。
学校をウエブサイトなどの限られた情報だけで選ぶということは難しいことだと思います。自分の本質的にしたいことと、学校が提供するものがしっかりあうかどうかということの見極めはとても重要かもしれません(というか私も難しかったと思う)。
卒業生の進路や、授業の中身などについてアドミッションなどに積極的に質問をすることなどで自分がやりたいことにあった学校がどこなのかをしっかり検討することは大切かなあと思います。