2009年05月05日

これは書かねば

明日提出のレポート(2つ)がまだ終わってないのですが、これはポストせねばと思ったので。

http://www.chikawatanabe.com/blog/2009/04/future_of_japan.html



機会があって上記の渡辺千賀さんという方が書かれているブログを読んだのですが(この人のことを存じ上げているわけでは一切ないです。たまたま似たようなところに住んでいるため、名前をお聞きする機会はありましたが)、一言とてもがっかりしてしまいました。誰しもそうだと思いますが、私はあまり人のことを批判したりするのは好きではないです。ただ今回こればかりはどうしても思うところがあって、ポストしています。

私は、いろいろな機会があって、現在こちらに住んでいます。でも、当然のことながら、これは自分の力で成し遂げたというよりは、家族、友人、そして社会周囲の環境のおかげでたまたまここにいると思っています。いろいろな分岐点がありました。いろいろな人がいろいろなところで支えてくれて、結果としていろいろなリスクをとることができて、ここに来ることができて、そしてここで勉強や仕事をすることができています。いろいろな苦労はところどころであったかもしれませんが、今生きていて、ここで勉強や仕事をさせてもらっている時点で十二分に幸せだと思うわけです。「ありがとう」の気持ちです。

私は自分の国がとても好きです。責任感のある人々、相手の立場を考え、尊重したふるまい、じっくり考えて物を話す話し方、格差が出てきたとはいえ、それでも世界の中では格差もない部類だと思いますし、少なくとも格差社会はよくないんじゃないかという風潮がしっかりあると思います。サービスレベルは私がいった国の中では世界一だと思います。すごいですよ、日本のサービス。へんな「自己責任」の度合いが少なく、とてもストレスレスです。

当然いろいろな考え方があって、どれがいいとか悪いとかはないと思うのですが、少なくとも私個人は、私が感謝していて、好きで、友達や家族が多くすんでいる日本やその社会に対して、「日本は立ち直れないから海外にいってそのまま残ろう」という文面や考え方をみるのはとても、悲しい感じがしたのです。

日本がいい状況かよくない状況か、といわれたらよくないと思うかもしれません。でも、相対的にどうかといわれたら、その比較は簡単ではないでしょう。たとえば、日本には、人としてのマナーや魅力を持った、責任感の強い人が多いと思います。さらに、住みやすさの基準は人によってまったく違うでしょうし、将来の見通しなんてこれからの施策や前提しだいでいろいろ変わるでしょう。たとえば、アメリカの政治がいいかどうかですら大いなる疑問なわけです。オバマのプレゼンテーションは格好いいですが、医療政策ひとつとって言えば、保険を持っていなく病院にかからない人(ERに駆け込む)がこんなに多い国がモデルとも思えないですし。要は、どこの国もいい面もあれば、問題も多く持っているわけです。

そんなよくない中でいろいろな形で、みんながんばっているというのが現況だと思います。僕の友達のパキスタン人は、卒業したら国に帰ります。彼は真剣に、自分が生まれ育った国や社会をよくしたいと思っています。パキスタンの状況が日本よりよいか悪いかをコメントするつもりはないです。ただ、その姿勢から感じ取るものは大きいですし、そういう人をみて、少なくとも自分は自分だけ恩恵を楽して生きていけばいいやとは決して思えないのです。

さらに、著者の書いている「成功」とか「幸せ」の軸にも、残念ながらコメントせざるを得ません。成功体験は、その人が目標を定めて、成功だと思うことでできるものなので、それは「お金」であるとは決していえないし、中国やシリコンバレーにいった(いた)からできることではないと思わざるを得ないのです。要は目標の設定の仕方であったり、価値観であったりなわけで。それをどう設定するかが重要なわけで。正直お金だけが軸だったら、税金があんなに高い北欧は不幸せですか?と聞きたいですし、一人あたりGDPとかも、幸せを説明しないでしょう。文化やそこに住んでいる人など、お金や単純な計数では説明できない要素が世の中には多いんじゃないかなあって僭越ながら思うのです。

確かに運がよくて他の国(アメリカも含めて)に住む機会があれば、その国なりのよさがあって違う経験ができると思います。ここにしかないものは多いです。住んで感じること、わかることも多いと思いかもしれません。英語はしゃべれたら、しゃべれないよりいいかもしれません。だからといってそれがすべて素晴らしく、日本に残ることがそうではないかというと、そこは大きな疑問です。幸いにして機会を得て他の国にいくチャンスがあったとしても、どこの国にいても、がんばったり感受性を高めたりしなければ、のうのうと暮らしただけです。キャリアの見た目の響きは美しく聞こえるかもしれませんが、そんなメッキはすぐはげます。2年であれ、それ以上であれ、ほかの事ができる数年間を失っているともいえます。この2年間一生懸命別のことに日本で打ち込んでいたら、違った人生だったでしょう。どちらがいいかなんてわからないです。ただわかるのは良きにせよ悪しきにせよ違う人生になるということだけです。要は、どこにいても精一杯人間としての力を高め、いろいろなことに挑戦したり、いろいろなことを感じたりするなかで楽しんだり幸せを実感できたりすることは多くできるんじゃないかなあと思うということです。

「人は人、わたしはわたし」というタイトルが物語っているように、いろいろな考え方があってもちろんいいと思います。この方は、シリコンバレーで活躍されている方とお伺いしました。きっと数々の素晴らしい経験をなさってきているのだと思います。ただ、私は学校を卒業したら、微力ではあるもののほんの少しでも、お世話になった社会に自分の力をできる限り活かして貢献できたらいいなあって思っています。自分ひとりで生きてきたわけじゃないので。それが少しでも実感できたら、どんなお金を稼いで、私はすごいとアピールすることよりも、ずっと成功だと思いますし、生きてきて幸せだと思うんじゃないかなあと思います。少なくともわたしにとってはそういう生き方のほうが幸せです。きれいごとに聞こえるかもしれません。でも、そう思うのです。
posted by は at 05:54| サンフランシスコ ☁| Comment(2) | 考えてみました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
渡辺さんのサイト見てきました。
本人の内容よりは、その他の方のコメントの方が興味深かったですね。

一番、面白かったのは、この方
http://d.hatena.ne.jp/omaemona01/20090429
いやぁ、言いすぎでしょう。

何人かがコメントしてましたが、書き方間違えたのでわ??という気がします。もしかしたら、わざとああいう書き方をして、反応を試してるのだとしたなら、僕らは彼女の手の平で転がされてますなぁ(まぁそうだとして、目的は不明ですが)

僕も海外で働く身として、個人的に思うのは
、移動手段(飛行機とか)・伝達手段(インターネットとか)の発達が進む中、国としての考え方って段々希薄になってくるような気がしてます。もちろん故郷に対する思い入れはあるけれど、徐々に違いが少なくなってくると思っています。江戸時代の薩摩と陸奥じゃぁ全然違ったでしょうからね。今や、東京で青森出身の子と鹿児島出身の子がコンパしてる世の中ですから。
僕個人としては、好ましい方向だと思っています。日本のように単一民族国家じゃ無いから世界で一緒になっていくのは中々難しいかもしれないけど、宗教紛争とかが少しでも少なくなると良いのになぁなって思うわけですよ。と、まぁ綺麗ごとを言いながら、今日もやっぱり中国人は「ゴイゴイ」言うから嫌だなぁと思ったりして・・・そして自己嫌悪・・・

でも、まぁ縁があって日本で生まれた訳で、自分と全く同じ経験をしてきている人は世の中に一人も居ないのは確かなので、その経験を踏まえた上で、何を次にしていけるか?だと思うのですよ。韓国人は、奢って貰っても何とも思わないそうな。年長者が奢るのは当然で、自分は今度自分より下の人間に奢ってあげることで、お返しをするというのが当然な文化なんですって(って本で読んだ)
自分も、今まで親を含めて色々な方に支えられてきて、生きてきたんでね。今後はどうやって、自分の下の世代に恩返ししようか・・と思います。

今後は、ますます、「地球人」として、子供の世代にどのようなものを遺していけるか?が問われるなぁと思います。
こないだ、生まれ育った町に行ったら、小学校のころは大賑わいだった商店街が閑古鳥で寂しい気分になりました。何年後かに、日本がそうなってたら悲しい気分になりますが・・それはそれで、栄枯盛衰で仕方無いかなぁという気はしています。
変わっていかないといけないし、変えていかないと、同じになってしまいますからね。「は」さんのように、考えることは大事ですよ。
Posted by 星の国のおじさま at 2009年05月12日 01:02
星の国のおじさまさま

ブログを読んでいただき、さらにコメントご丁寧にありがとうございました。またお返事が遅くなってしまい大変失礼いたしました。

>こないだ、生まれ育った町に行ったら、小学校のころは大賑わいだった商店街が閑古鳥で寂しい気分になりました。何年後かに、日本がそうなってたら悲しい気分になりますが・・それはそれで、栄枯盛衰で仕方無いかなぁという気はしています。

ここが難しいところですね・・・。できることできないことがあることはわかりつつも、長期的な視点でみて、多くの人が納得ができたり、満足ができるような変化であればといいのに、と思うことは多いです。
世の中の流れという大きいものを前にして、私自身は大変無力ではあるのですが、いろいろな工夫や努力を通すことで、すこしでもそういったことに貢献できたらとか思ったりしています。
これまでいろいろとありがたい経験を(自腹とはいえ)させてもらっています。そういったことをいろいろ可能にしてくれた環境に感謝して、少しでも還元したい。そのために努力したい、そして恩返しをしたいと思います。

星の国のおじさまさまがおっしゃる「地球人」としての貢献、素晴らしいものだと思います。多くの人がいろいろな方法で貢献していくことはきっと素晴らしいことなのだと思います。これからもさらに考え、そして行動していきたいと思います。アドバイスありがとうございました。
Posted by は at 2009年05月16日 12:29
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