さて、今学期とっている授業の中で、特筆すべき授業は、Real Estate Developmentという授業です。
何でReal Estate Developmentなの?と思うかもしれませんが、去年医療機関でインターンしていたときに、病院、診療所のチェーンという業態にとって、不動産が財務的にもサービス的にも、重要な要素の一つであるということを学びました。私は不動産のビジネス経験はないわけですから、その道のプロフェッショナルになることはできなくとも、最低限、不動産はどのように開発されていくのか、そしてどのように評価されるのか、そして彼らはどのような「言語」を使っているのかということを知っておくことは、将来にとって役に立つかもしれないなあと思いました。そしてUC Berkeley Haas MBAは、不動産ビジネスが一つの強みであることもあり、最後の学期には、是非不動産開発の授業を取ってみようと思っていました。
課題がしっかりあって、タフな授業の一つではあるのですが、この授業がとても面白かったところは、大きく3つかなあと思っています。
1つは不動産開発という授業が財務、マーケティング、デザイン、組織論、リーダーシップ、法務など包括的に扱うものであるため、いい意味で色々なことの復習になり、かつそれと同時に、不動産については何もしらないに等しいので、自分のこれまでの知識を活かしながら、知らない世界のことを学んでいくというところ。例えば、あるコンセプトの下に出来上がったコンドミニアムをどのように実際に買ってもらうか(売っていくか)というところは、自分のこれまでのマーケティングの経験から、こうするかなあと授業の前に準備して考えていくと、自分の考えに当てはまるものもあれば、不動産特有の状況から当てはまらないものもある、そういったトレーニングがとても勉強になっていると思います。
2つ目は、グループプロジェクト。グループプロジェクトは、ある土地の不動産の開発プランを作るというものなのですが、これには財務シミュレーション、マーケティングプラン、開発までの折衝といった「ビジネスプランの側面」に加えて、建物のデザイン、レイアウトなどといった「建築物プランとしての側面」があります。今回の4人のメンバーのうち、2人は建築士、1人は不動産物件に関する営業、マーケティングをしている(残りの私のみ不動産未経験)ということもあり、各人が専門のパートをとり(私は財務パートをとり)、どういったプランにするかをグループでかなり練りました。
Public Healthのグループ演習の時にも思ったのですが、複雑で色々な側面から考えないといけないテーマに関して、違うスキルセットの人がそれぞれの特性を活かしながら、各人が責任感をもって、分担を分けてプロジェクトをやると、とてもいいものができることが多いし、とても学びが多いと思っています。今回のプロジェクトは、まさにそんなプロジェクトだったと思います。そういったことに加えて、建物、内装外装のデザインとか、建築士の人がどういった物の見方をするのかといった私が全く知らなかったものに触れることができたことも、とても勉強になりました(そもそも自分がその分野について、余り知らなかったからということもあるかもしれませんが)。
そして3つ目は、現場を見に行くツアーがあること。授業のない金曜日に完成されて、実際に使われているサイトへのツアー1回、そして建築中の物件へのツアー1回と計2回「現場」を見に行き、実際に開発、建設に携わっている人から話を聞くというものです。「現場」はやはりいついっても、座学では分からない、素晴らしいものを感じ取ることができるものです。
自分の一切知らない分野の授業をとって、不動産プロフェッショナルの人たちと不動産開発の勉強をしていくということは、容易なことではなかったですし、「本当に自分は劣等生なんじゃないか」と思うこともたまにありますが、勉強していく過程から多くのことを学びました。そしてそこで学んだことは、不動産ビジネスだけに関わらず、これからのキャリア全般で活きてくるといいなあと思いますし、活かしていかないといけないなあと思います。